マーチングフリーマガジン|Laundry day! vol.3|

SHUN NISHIMURA KOSUKE NAKAJIMA VESSEL indoor drumline 2022に参加しているお二人にお話を伺いました。 現地で起こった新型コロナウィ ルスによるハプニングや、 お二人が今感じていること、W GIに参加している生の声です。 ■簡単に経歴をお願いします 中嶋 私は京都府の洛西高等学校でマーチングバ ンドに出会い、卒業後にKyoto Ravissant re‘b cに 所属し活動してきました。団体としての活動以外で は、VOXVの全作品に参加しました。担当楽器は、 スネアドラムです。 西村 私は大阪市立文の里中学校でマーチング バンドに出会い、四條畷高等学校に進学、卒業後、 VESSEL2020に参加しましたが、新型コロナウィ ルスの影響で帰国。その後はVOXVへ参加、Kyoto Ravissant re‘b cに所属しました。担当楽器はテナー ドラムです。 ■WGIに参加しようと思ったきっかけは? 中嶋 WGIとの出会いは、高校時代の先輩が見せ てくれた映像でした。当時は「こんなすごい世界が あったんだ!」と別世界のように感じていました。実際 に目指そうと考え始めたのは、reb’cに所属し、一緒 に活動した先輩方の姿を見たからでした。先輩方の showに対する姿勢や、技術力の高さ、この方達を 作り上げてきた環境に興味が湧き、WGIへの挑戦 を考えるようになりました。 西村 私がテナードラムに出会ってすぐの練習に 来てくださった講師の方が、マーチングでアメリカに 行っていた方で、お話を聞かせていただいたんです。 そこで興味を持って、帰宅後にYouTubeでいろんな チームを見て、「自分はここに行かなあかん!」という 確信に近い夢を持ちました。 ■オーディションは、どれくらい受けましたか? 中嶋 私は現地で3団体、ビデオでも2団体受けま した。せっかく挑戦するなら、色々な団体の雰囲気に 触れてみたかったですし、受けたいチームのある州には 複数の団体があったので、受けてみました。どのチー ムにもカラーがありましたが、共通して言われていたの は、「成長し続けていてほしい」ということでした。また、 「コントロール出来ないものではなく、コントロールする ことができる自分自身に目を向けて、常に最高を更 新し続けること」というお話が印象に残っています。 実際に受かっている人はそういう人が多かったです。 西村 2020年はビデオで複数団体受けていました。 ビデオオーディションでは、撮れば撮るほど追い詰め られる感覚もあります。納得がいかなくて何時間も撮 り続けるんですよね。撮影場所によって音が割れて しまったりもするので、環境づくりも大切です。今年度 受けたのは1団体のみでしたが、理由は楽器が用意 できなかったからなんですよね。受けたいチームがあっ ても、パッドでのオーディションが許容してもらえるかどう かは団体によるので、事前に確認し、用意する必要が あります。 ■現地で感じる新型コロナウィルスの影響 中嶋 結構、現地で影響を感じることは多いです。 身近な人が罹ってしまったり、団体の練習自体が無 くなってしまうこともありました。感染者が出たからと いうだけではなく、リハーサルを行う学校自体が急に 閉鎖となり使用ができなくなるケースもありました。 チームによっては、感染者が増えすぎてWGIのエン トリー自体がなくなってしまうこともあり、影響はまだま だ続いている状態です。 ■現地に来てから感じていること 中嶋 これはチーム全体としての課題でもあります が、コミュニケーションを取ることの大切さを感じてい ます。メンバーの一人が、私たちが練習に参加し始 めた時に「このチームに所属したってことは、もう家 族も同然だから、君もその一員なんだよ」と言ってく れたり、人柄の温かさを感じています。 西村 今年度のVESSELは、比較的年齢層も若め で、自分も含めてまだまだ未熟だと感じることが多い です。うまくいかないと感じることが多くて、進んでい ないように感じるのが悔しいです。それでも、ホームス テイ先は第二の家のような感じですし、私も人の温 かさをとても感じています。 ■WGIの本番が徐々に始まりつつある中で… 中嶋 今年度のVESSELはベテランが少ないの で、今までのチームの持つ印象と少し変化している と感じています。まだまだ自分たちのカラーが変化し ていく途中なんですよね。団体にもよると思います が、私たちはプレビューショーを見にいく機会を頂け て、他のチームを見て、刺激をもらいながら、自分たち には何ができるのかを考えています。 西村 今年度指導者が変わったので、2020年に 参加した時とは違う印象を受けています。だから思 い通りにいかないと感じることもあります。やっぱり指 導者によって譜面やショーの雰囲気も大きく変わっ て、まだまだ課題はありますが、一つずつ乗り越えて 行こうと思っています。 ■ファイナルに向けて… 中嶋 今年僕がここに来た意味をすごく考えていま す。未熟な部分もある中で、「このままじゃ終われな い」という想いがあります。上手くいかない時に、何 かのせいにしてしまう瞬間があると感じているので、 常に自分事として捉えていきたい。私は今年でエイ ジアウトで、アメリカに来れるのは最後なので、良い ものにしたいという気持ちはもちろんあるんですけど、 「家族だよ」と言ってくれたこのチームの声に応えら れるように活動していきます。 西村 今の私たちのチームは、一進一退で課題が 多く残っているんですけど、一人一人の想いがなけ ればいいショーはできないので、謙虚に想いを込め て自分にできることをしていきます。チーム一丸と なってショーと向き合えたらいいなと。私自身はまだ エイジアウトではないんですが、中嶋さんがこうして VESSELに来てくれて、最後の年ですし、私自身も いい結果を残したいので頑張ります。 ■最後に今後目指す人たちに向けて 中嶋 私は、アメリカに行きたいと思った時からここに 来るまでに4年かかりました。この期間はずっと前向 きに努力し続けられたわけでは、もちろんなくて…悩 むこともあって言い訳もたくさんしてきました。でも何 が原点にあったのか忘れなければ続けられるんです よね。続けられればいつか形になります。自分の気 持ちに素直に生きて大丈夫です。 西村 いろんな生き方がある中で、今何かに挑戦す ることを迷っている人がいたら、やってみてほしいで す。恥をかけるのも今だけだと思います。一歩を踏み 出さなければ見えない世界が確実にある。自分の気 持ちに嘘をつかず、一歩を踏み出してください。 WGI 挑戦者たちの 「今」 中嶋航佑 西村しゅん Text : Sae Ito

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=