マーチングフリーマガジン|Laundry day! vol.3|

2016~2018 The Bluecoats(DCI) 2018~2019 Broken City Percussion(WGI) Pearl / Vic Firth Artist Re:Z⓪NEs™ Producer アメリカでマーチをしていた2016年 頃からインドアドラムラインのチーム を立ち上げたいと考えていました。 「さぁ、チームを立ち上げよう!」と、 具体的に必要なモノやコトを考えて みると、楽器の調達や練習場確保 に大きなハードルがあることが分か りました。まず楽器を揃えないといけ ない。その為に多額の資金が必要 になることが分かって止まっていまし た。そんな中、スリークロスは、小規模 でも活動できるものだったので、ス リークロスチームを立ち上げて出場 しました。 2020年10月頃にマーチング祭 さんから、「MIX3™/スリークロス」が 立ち上がることと、ドラムラインのプロ モート動画作成のお話があって、僕 はベースドラムアンサンブルでプロ モート動画を創りました。最初は、 ベースドラムアンサンブルのメンバー で出たいと考えていたんです。でも スケジュールが合わず、出場できな い状況がありました。それでも諦め きれず、マーチングサロン内で話をし ていたところに「じゃあ、やってみま せんか?」と、伊藤紗瑛さんが声をか けてくれたんです。それなら、「ドラム ラインだけではなく、ガードも一緒 に!」ということになり、2021年2月に 「Re:Z⓪NEs™」(以後、レゾネス) が立ち上がりました。 楽器の運搬が大変でした。公園 で練習していたのですが、(当然で すが)毎回楽器を運ばないといけな い。他にも、もっとやりたいことがある のに、実際の練習の準備や運営に 手がいっぱいで取り組めない。思い ついたのにできないもどかしさもあり でしょうか。 「どうしてチームをつくりたいのか」 を聞きますね“。創りたいものがある” という強い気持ち、信念があればい いと思います。やってみなければ分 からないことはいっぱいあります。 実際に「レゾネス」を立ち上げてみ て気づいたことがありました。私の 場合、実はチームのビジョンはなくて、 まず「創りたい作品」のイメージが あって、その次にチームがあったん ました。大変なことだらけでしたが、 創ってきたものを第三者に観ても らって、感想やコメントなどを頂いた ときは、すごく嬉しかったですね。 スリークロスに小規模チームで出 場するところから始めると良いと 思います。毎年少しずつ楽器を買い 足して、機材環境を整えていくことが できれば、インドアドラムラインチーム が出来上がっていくと思います。 カタチになるのに5年くらいはかかる です。「30m×30mのマーチングで “良し”とされないものの可能性を見 出す場所」をつくりたかった。先代が 築き上げてきたものを真似るだけで なく、この場所をキッカケに新たな選 択肢を増やすこと。レゾネスでは 演劇の様な演出を組み込み、譜面 を“演奏する”のではなく“、セリフの ような演奏表現”に挑戦しました。 レゾネスを立ち上げてスリークロス に出場したのは、「30m×30mでは 伝わりづらい表現方法やアイデアも 伝えることが出来る」というのも大き な理由でした。 いくつかあります。まず、団体運営 に対する見方が変わりました。今、 「どこ」に力を注いでいるのかが分か るようになりました。次に、ショウ全 体を創ってみて「ショウを創るトップ の人が何を意図して創ったのか」を 考えるようになりました。他にも、ス リークロスの後日に独自公演を開催 したこともあって、「本番をつくる大 変さ」が分かりました。「どうしたら観 に来てもらえるか」「居心地の良い 安心できる空間を創れるのか「」来 て良かったと思ってもらえるか」だけ でなく、公演までのプロセスやその 後の流れをどう組み立てるかも非常 に重要だと感じました。また、一人 の力では限界があります。 「頼れる人がどれだけいるのか」 「どのように役割を分担するか」など、 様々な積み上げがあって「本番」が成 り立っていることがよく分かりました。 「自分らしさを大切に」 私は表現活動をする上で“自分 らしさ”とは何か?を、いつも考えてい ます。私の中で強く感じていることは、 「自分らしく生きている人は何をして いてもイキイキしている」ということ。 そして、自分らしく生きている人の演 技や作品、素振りには言葉では言 い表せない「心にグッとくる“何か”」 があります。これこそが表現者として の一つのゴールであり、永遠に追 求し続けられるモノだと思います。 他者がつくる正解も大事だけれ ども、それはきっと表面的なものだと 思います。自分の心が想う「好き!」 「これだ!」「何か分からないけれど 惹かれる」など、より本質的な、素直 に出た心の声や直感を大切にして ほしいと思います。 チームの立ち上げを通して「なぜチー ムをつくりたかったかがみえてきた」 という言葉が印象的だった。 チームを立ち上げる動機はさまざま だ。「こんなショウがつくりたい」が 動機になる例として、貴重なインタ ビューとなった。次世代よ、集え。 チーム立ち上げから 独自公演までをしてみて、 変わったことはありますか? 次世代に向けて 伝えたいことはありますか? Text : Satoshi Moromi スリークロスチーム 「Re:Z⓪NEs™」立ち上げの 経緯を教えてください チーム立ち上げを、 いつから考えていましたか? 実際に「スリークロス」に 出場するのに、大変だったことは なんですか? インドアドラムラインチームを 立ち上げるには、まず何から 始めると良いと思いますか? 「チームをつくりたい」と 相談されたら、 どのように答えますか? 2021年1月に立ち上がったスリークロス。 すぐ翌月の2月に「Re:Z⓪NEs™」を立ち上げて 出場した森匠勲氏。 日本初のスリークロスチーム立ち上げにはどの様な 背景があったのだろうか。20代だからこその瞬発力、 瑞々しい発想、行動の裏側に迫ってみた。 なぜチームを つくりたかったか、 みえてきた 1st director | Naruhiro Mori 森 匠勲Naruhiro Mori バンドディレ クター特集

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